厚木佐藤病院の臨床検査センターは、診療放射線技師と臨床検査技師が協力し幅広い専門性を土台に、日々研鑽に取り組みながら地域医療への貢献のために、日々奮闘しています。今回は臨床検査センターの課長に、部署の魅力についてお話を伺いました。
Q. 部署の役割と課長の想いについて教えてください
私たち臨床検査センターは、臨床検査技師と診療放射線技師で構成され、画像検査、生理検査、検体検査など様々な検査に対応しています。目進月歩の医療において、検査の領域だけでも日々新しい知識や技術が生まれています。私たちはこれらを恒常的に取り入れ、正確な検査結果と信頼できる情報を臨床現場に提供していきます。
当院のように近隣施設や住人の方々と直に接する「かかりつけ病院」は、国家戦略である地域包括ケアシステム構想の要であると自覚しています。私たち臨床検査センタースタッフは地域医療の水準を検査の面から底上げし、近隣地域の方々の健康状態を向上させることで、これからの超高齢社会を希望に満ちた未来にしたいと考えています。
Q. 教育サポート体制はどのようになっていますか?
新卒者、既卒者、経験者、いずれも安心して業務をスタートできるよう、検査手技、装置の操作、安全管理、患者接遇などを習熟度にあわせて段階的かつ繰り返し教育・サポートします。また、看護師の新人オリエンテーションにおいても臨床検査技師、放射線技師がそれぞれの分野について講義していますが、普段から違う職種に気軽に質問できるのも当院の強みです。
Q. 業務内容や技術・設備について教えてください
私たち臨床検査センターは、もともと放射線課と臨床検査課という独立した二つの部署がMRI導入をきっかけに統合されました。こうした経緯もありMRIや関連する健診の受付については診療放射線技師と臨床検査技師が協力して行っています。
そのほか診療放射線技師の業務としては、一般撮影・透視検査・CT・骨密度測定・画像データの管理があげられます。
臨床検査技師の業務はおもに生理検査と検体検査に大別され、生理検査としては
・心電図・運動負荷心電図(マスター2階段法)・24時間ホルター心電図
・血圧脈波検査・呼吸機能検査・脳波・終夜睡眠ポリグラフ検査
・超音波検査(腹部・心臓・表在・下肢静脈・他)
検体検査としては多くは外部に委託していますが、緊急項目に限りドライケムによる生化学検査・血液学検査・輸血検査を行っています。
また、生理検査と検体検査は、それぞれの部門システムを介して電子カルテと接続していることから、例えば血液検査の新項目設定や正常値の変更など、各システムのマスタ管理も請け負っています。
各種委員会活動も放射線技師、臨床検査技師それぞれが参加しています。
Q. チームワークや職場環境の特徴を教えてください
中規模病院である当院は大病院と比較して部署間、職種間のコミュニケーションがとりやすいことが強みです。他部署に対して気兼ねなく質問や相談ができるため患者情報の意見交換が容易にできます。また、互いに協力して速やかに業務改善が進められます。臨床検査センターの部署内においても、診療放射線技師と臨床検査技師がそれぞれの意見を出し合い、症例検討や業務改善をしています。質の高い検査をめざす一方、スタッフの健康状態や人間関係の構築など、心のケアにも重点を置き、働きやすい職場環境を常にアップグレードしたいと考えています。
Q. キャリア形成と将来性についてのお考えを教えてください
面談や進捗確認で成長を実感してもらいながら次の目標設定ができるよう支援します。
外部研修への参加も推奨し、参加費や出張サポートでスキルアップの後押しをします。
当院の超音波検査は臨床検査技師が担当していますが、日本超音波医学会認定超音波検査士2名の監督のもとで検査を実施しており、意欲のある場合は認定取得にむけたサポートもしています。
Q. 最後に求職者の方へメッセージをお願いします
学生の方には厳しく聞こえるかもしれませんが、組織の一員になる以上は他のスタッフも尊重する必要があります。例えば、自身の休暇希望が他者と重なったときに互いに譲り合える協調性、同僚が病欠の際の勤務変更や休日のオンコールに応じるなどの責任感が求められます。一部の部署が機能しなくなるだけで組織の運営が滞ってしまうためです。
もちろん事情があり難しい場合もあると思います。しかし休みを取るのは当然の権利と思うのではなく、それぞれのスタッフが協力しているからこそ、お互いの権利が守られていることを自覚してほしいと思います。
このため私が部署を運営していくうえで求める人材には、経験や実績よりも、責任感と協調性を重視しています。
互いに協力し平等で働きやすい職場にしたい、延いては全職員が心身ともに充実し、ストレスなく業務に専念することで、大病院にも負けない質の高い地域医療を構築したいと考えています。
