地域に根差し、人と人との触れ合いを大切にする看護
――本日は厚木佐藤病院看護部の魅力について、看護部長にお話を伺います。まず、貴院の看護部が大切にされている理念について教えていただけますか?
当院の看護部では、代々受け継がれてきた「人と人とのふれあいを大切にし、あたたかい看護・介護を実践します」という理念を掲げています。元々、厚木佐藤病院は地域医療に根差すことをコンセプトに設立された病院です。そのため、住民の方々はもちろん、連携施設の方々とも心を通わせ、人の気持ちがわかる人材の育成に力を入れています。40年以上の歴史を持ち、訪問看護を地域でいち早く導入するなど、地域に密着した医療を提供し続けています。
患者さんの「人生」を尊重する看護
――看護部長ご自身が、看護において特に大切にされていることは何でしょうか?
当院には認知症の患者さんや高齢の患者さんが多くいらっしゃいます。私は、その方々が「生まれた時から高齢者だったわけでも、認知症だったわけでもない。今の社会を築き上げてきた、人生を懸命に生きてきた人たちである」ということを常に意識して接してほしいとスタッフに伝えています。患者さん一人ひとりの人生や社会への貢献を尊重し、上から目線ではなく、礼儀を持って接することが大切です。新人のオリエンテーションでは必ずこの話をしていますね。
「人の定着」を目指す、教育と働きやすさへの挑戦
――看護部として現在、特に力を入れていること、そしてその中での強みは何ですか?
一番の目標は「人の定着」です。離職者を出さないよう、教育には特に力を入れています。当院の最大の強みは、大規模病院にも引けを取らない充実した教育体制です。
看護部内に独立した教育課があり、集合研修を通じて、1年目はもちろん、2年目、3年目のスタッフにもラダーに合わせたメンバーシップ研修やリーダーシップ研修を提供しています。中途入職者に対しても、入職初日に教育課が介入し、技術や電子カルテの操作方法など、業務に必要なスキルをしっかりとサポートしています。OJT(On-the-Job Training)任せにせず、時間をかけて丁寧に寄り添うのが当院の特長です。
また、スタッフが働き続けやすい環境を整えることも重要視しています。業務効率化のため、電子カルテの導入により、情報共有がスムーズになり、業務のスピードアップが図られています。医師と協力して指示出しの時間を調整したり、「夕礼」というシステムを導入し、夕方定時前に残業状況を把握し、スタッフがお互いに助け合いながら、早く帰れるように工夫しています。このような取り組みは、スタッフのワークライフバランスを重視し、余裕を持った看護に繋がると考えています。
過去には人員不足による課題もありましたが、現在は病院全体で「人」を最重要課題と捉えています。多職種の代表をメンバーとする人財プロジェクトを立ち上げ、様々な取り組みを発案し、働き続けてもらえる環境整備に力を入れています。
求職者の皆様へ:あなたの「看護観」を活かせる場所がここに
――最後に、厚木佐藤病院を検討されている求職者の皆様へメッセージをお願いします。
ご自身の「看護観」をしっかりと持ち、目標を立てていただきたいです。学生時代に看護観を確立することは難しいかもしれませんが、漠然とではなく、「どんな看護師になりたいか」というビジョンを持つことが大切であると考えています。
昨今、看護学生さんの志向も多様化し、ワークライフバランスを重視した働き方を希望する方も増えています。当院は、大きな病院からご自宅へ帰る「中間点」として、患者さんの在宅復帰を支援する重要な役割を担っています。急性期だけでなく慢性期療養ケア、地域包括ケアに関心のある方には、多機能な当院の環境は非常に適していると考えています。
これからの高齢社会に求められる高齢者看護や認知症ケアを提供できる看護師として、私たちと一緒に成長していきましょう。当院は、皆さんの「やりたい看護」を展開できる環境を提供できるよう、日々努めています。
